裁判官になった先輩から後輩へのメッセージ 島尻大志さん、母校・球陽高校で授業


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後輩らにエールを送った島尻大志さん=10月21日、沖縄市の球陽高校

 うるま市出身の裁判官、島尻大志さん(38)が10月21日、母校の球陽高校で3年生に裁判員制度について教える特別授業を開いた。難関の司法試験に合格し、裁判官として活躍する先輩の姿に、生徒は目を輝かせていた。授業後は進路相談をしようと駆け寄るなど、大学受験を控える生徒たちにとっては将来の夢に向かって心を奮起させる時間にもなった。

 「高1の時の席次は、真ん中より下でしたよ。部活ばっかりしてました」。授業後、恥ずかしそうに笑いながら話した島尻さん。高校時代、テレビ番組「行列のできる法律相談所」が大好きだった。弁護士や裁判官になりたいと思ったわけではなかったが「論理の積み重ねが好き」で、高2の部活引退後、猛勉強した。千葉大学法学科に進学。在学中にさらに法律への興味が深まり、東京大学法科大学院卒業後、司法試験に合格した。

 司法試験に合格すると、裁判官・検察官・弁護士になることができる。島尻さんは「最終的な結論を出すのが裁判官。みんなが安心して暮らせる社会をつくれることに、やりがいを感じる」として、2011年1月に裁判官になった。21年4月から那覇地裁に着任している。

 受験を間近に控えながらも、なりたい職業がはっきりしない高校生へは「焦らないで」と伝えた。「自分の好きなこと、興味のあることは何かを考えてみて。自分に向き合う時間を大切にしてほしい」とエールを送った。
 (嘉数陽)