防衛相、「運用上問題ない」 米軍機の陸域空中給油、16年墜落後の解釈変更


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MV22オスプレイ=宜野湾市内(資料写真)

 【東京】浜田靖一防衛相は1日の参院外交防衛委員会で、米軍機の空中給油について、訓練は基本的に陸地上空を避けるが「運用上の必要性に基づく空中給油は(陸地上空でも)問題があるとは考えていない」と述べた。山添拓氏(共産)の質問に答えた。浜田氏の答弁は3月に山梨県甲府市上空で訓練機に給油した米軍の行動を追認するために解釈を変更した格好で、これまでの政府のコメントや答弁との矛盾が生じている。

 米軍山梨給油 追認に

 米軍機の空中給油を巡っては、2016年に名護市安部沿岸部で垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故原因となった。

 そのため、17年1月に米軍が空中給油訓練を再開する際、稲田朋美防衛相(当時)は「米軍は今後とも空中給油訓練は陸地から離れた海域の上空でしか実施しないこととしており、陸地の上空では実施しないことも確認しています」とのコメントを発表、17年3月には参院予算委員会で安倍晋三首相(当時)が「(米軍は)空中給油を行う場合は海上で行う」と答弁していた。

 山添氏は山梨県上空での空中給油は従来の答弁に反すると追及。浜田氏は山梨県上空で実施したのは空中給油訓練ではなく「運用上の所要に基づく空中給油」であるとして、過去の答弁と「案件は別だ」と主張した。

 だが、防衛省によると、米軍は訓練中の米軍機を支援するために空中で給油したと説明している。

 山添氏は「(過去の答弁では)空中給油訓練と、訓練機への空中給油が違うという説明はしていないのではないか」と指摘した。
 浜田氏は「事故を起こさないための訓練で、それを踏まえて運用上で(空中給油)するというのは間違っていない」と述べるにとどめた。
 (明真南斗)