沖縄県がインフルエンザの入院者数集計開始 コロナとの同時流行に備え


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 冬場に懸念される新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備え、沖縄県対策本部は1日、27重点医療機関から新型コロナだけでなくインフルの入院患者数の集計を開始した。インフルの感染状況は定点医療機関が保健所に週一回報告する体制だが、県は1日の入院患者をリアルタイムで把握し、流行の前兆を捉える狙いがある。

 県独自の入院情報共有システム「OCAS(オーキャス)」にインフルエンザの症状別で項目を追加した。流行期には慢性期も含めた県内全病院から集計し、入院調整などに生かす。

 同システムを作成した県対策本部の医療コーディネーター米盛輝武医師(浦添総合病院)は「海外では同時流行が起きており、県内でもそうなると想定した構えだ」と警戒する。

 2つの感染症が流行すれば院内の部屋割りが困難になり、感染や家族の看病で休む医療従事者も急増しかねない。米盛医師は「医療逼迫(ひっぱく)を回避するため、県民にはワクチン接種と感染対策の継続をお願いしたい」と呼び掛けた。

(嘉陽拓也)