「ウチナーンチュであることに誇り」海外参加者、若者・次世代代表が語った思い 世界のウチナーンチュ大会閉会式


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 世界各地から集まったウチナーンチュの熱気に包まれた第7回世界のウチナーンチュ大会の閉会式。海外参加者代表、海外の次世代代表、世界若者県連合会の代表は、壇上で「ウチナーンチュであることが誇り」などと述べ、一層の交流発展、世界へ向けた沖縄の発信を呼び掛けた。


「自身の歴史を再発見」 小橋川ラウルさん 海外参加者代表、ペルー県人会長

 新型コロナウイルスのような感染症に立ち向かうことになるとは誰も想像していなかった。全ての犠牲者に特別な気持ちをささげたい。心の中で静かに拍手を送ろう。

 私たちはウチナーンチュとして勤勉に働き、代価をいとわず、正直に生き、周囲と連帯して感謝を忘れずに前に進んでいく。それらは先祖である「おじいちゃん」や「おばあちゃん」が教えてくれた価値観だ。彼らが伝えてくれた価値観のおかげで、私たちは世界からも認められている。

 ウチナーンチュ大会のような世界規模のイベントは参加者なしには成り立たない。私たち海外参加者にとって、この大会への参加はとても感動的なもので、私たち自身の歴史やルーツの再発見だ。だから私たちは今、これまで以上にウチナーンチュであると感じる。

 全ての県民のみなさまの心遣いと盛大な歓迎に感謝をお伝えしたい。私たちもウチナーンチュの一人だと、家族の一員だと感じることができた。そのことは決して忘れない。


「時代超えて文化育む」 吉村尊雄さん 次世代代表、ブラジル

 私はサンパウロで生まれ育った。おばあと一緒に幼少期に沖縄の歌や踊りを楽しみ、先祖の島「沖縄」に思いを膨らませた。おばあが楽しく話す先祖の島に興味を抱き、私はブラジルで26年前、14歳から三線を始めた。

 現在私は吉村尊雄三線胡弓研究所を開設し、ブラジルで普及活動を行っている。三線を通して沖縄の文化をブラジルの人々や子どもたちに知ってもらう活動をしている。

 世界のウチナーンチュにとって三線や琉球舞踊は自分たちの沖縄の誇りと活力の源だ。

 沖縄から、海外に出て行った移民の人々や沖縄でも時代の移り変わりがあったが、ウチナーンチュたちはたくましく外来の文化を吸収しながら現在の沖縄文化を育んできた。

 これからの沖縄とウチナーンチュの栄えある未来のために、世界のウチナーンチュも共にあることを沖縄県、政府の方々も忘れず、これからも世界に向けて沖縄を発信してほしい。これからも世界のウチナーンチュ大会が開催されることを願っている。


<若者宣言>「先人たちの存在励み」比嘉千穂さん 世界若者県人連合会代表

 ウチナーンチュであることの誇り。私にとって、世界のウチナーンチュの皆さんと出会わなければ、その誇りを確信することはできなかった。

 2012年から多くの方の協力を得てブラジル、アメリカ、ドイツ、フィリピン、沖縄、ペルーで「世界若者ウチナーンチュ大会」を開催した。

 第7回目となる今大会は、オンラインプログラムを通して祖父母の歴史を振り返り、同じ市町村にルーツを持つ者同士が交流を深めることで、自分自身のアイデンティティーを肯定でき、家族、そして沖縄に対してもさらに誇りに思える機会を創出できたと思う。

 コロナ禍で、新しいメンバーと共に大会を作りあげるのはとても大変でしたが、同時に、海を越え、想像を絶する困難にも立ち向かい、人生を切り開いていった1世や先輩たちの存在が励みとなった。ありがとうございました。最後となりますが、今後も世界のウチナーンチュの皆さんと力を合わせられるように努力し、私たちらしく新たなことに挑戦していくことを宣言する。