有事に備え「自衛隊がインフラ活用」 防衛相が自治体に協力要請へ


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防衛省(資料写真)

 【東京】浜田靖一防衛相は4日の閣議後会見で、先島諸島にある民間の空港や港湾施設について有事に備えて自衛隊が利用できるよう、関係省庁や地方自治体、関係団体に協力を求める考えを示した。浜田氏は「空港や港湾の整備、機能強化は、輸送手段が船舶や航空機に限られる先島諸島で有用性が高い」と強調し、宮古島や八重山の公共インフラの自衛隊利用を念頭に置いていることを示唆した。

 国家安全保障戦略など安保関連3文書改定に向けて政府が設けた「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」では、有事に備えた空港や港湾などの公共インフラの整備・活用について検討を進めるべきだという声が上がっている。

 10月20日の有識者会議で出席者から、自衛隊による空港や港の利用に慎重な自治体に対し「地方自治体の意識改革は、防衛力強化の重要な課題」などの指摘があり、自治体側に姿勢の変化を促すべきだとする意見が上がっていた。

 浜田氏は会見で「多様な空港などの運用は防衛上、大変重要だ。日ごろから訓練を重ね、平素から柔軟に利用できることが必要だ」と述べ、自衛隊が平時から民間インフラを利用することを広げていく必要性を主張した。

 一方で、先島地域には歴代県政が軍事利用を認めていない宮古島市の下地島空港があるなど、玉城デニー知事や住民の反発が予想される。

(明真南斗)