戦闘車空輸へ与那国空港使用を申請 日米演習で防衛省 沖縄県は7日にも可否判断


この記事を書いた人 Avatar photo 嶋野 雅明
民間輸送船で車両などを輸送する陸上自衛隊=2021年9月、うるま市の中城湾港新港地区

 沖縄など全国各地で実施される日米共同統合演習「キーン・ソード23」を巡り、防衛省統合幕僚監部が4日までに、県営の与那国空港を使用するための申請書を県に提出したことが分かった。防衛省はC2輸送機で、陸上自衛隊の「16式機動戦闘車(MCV)」を与那国空港に運搬し、県内で初めて、公道で走らせる検討をしている。申請によると、17、18の両日、輸送機が与那国空港に離着陸する。物資や隊員輸送に向けた中城湾港(沖縄市・うるま市)の岸壁使用申請も提出され、県内の民間港や空港を使う準備が進んでいる。

 県によると、統合幕僚監部は2日、与那国空港でのC2輸送機の離着陸に伴う「制限重量超過航空機使用申請書」を県に提出した。県は申請書の内容を審査中で、7日にも可否を判断する。

 申請によると、17日と18日にそれぞれ1時間程度、C2輸送機が与那国空港を使用する計画。同機で輸送するMCVは105ミリ砲を搭載した最新鋭の装輪装甲車で、防衛省関係者によると、築城基地(福岡県)から与那国空港に空輸した後、与那国駐屯地まで公道を走らせて移動する方向で検討している。

 統合演習の一環で、民間の輸送船を借り上げた「PFI船舶」で自衛隊員や装備品などを搬入する計画を巡っても、中城湾港の岸壁を8日午前9時半~9日午前0時にかけて使用する申請が民間事業者から提出された。使用する岸壁などを決める「バース会議」が4日に開かれ、中部土木事務所中城湾港管理所は申請を承認した。

 防衛省の計画によると、今回の演習で使用するPFI船舶は「はくおう」で、鹿児島港~名瀬港(奄美大島)~中城湾港の間で部隊や装備品を輸送する。
 県内に運び込むのは車両73台と人員191人、県外へ運び出すのは車両49台と人員136人としている。
 (池田哲平)