沖縄の梅毒患者、2年連続で最多更新 20代が最も多く 10月末で計97例


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 沖縄県は4日、梅毒の患者が10月30日時点で97例となり、前年同期の94例を超えて2年連続で過去最多を更新したと発表した。梅毒は主に性的接触などで感染し、治療が遅れると脳や心臓に重大な合併症を引き起こすことがある。県は感染予防のほか、自覚症状などがある人へ検査や受診を呼び掛けている。

 梅毒は梅毒トレポネーマという細菌でうつる感染症。検査時の聞き取りでは97例中83例が性的接触だった。病変部位が口にある場合はキスでも感染することがあるという。梅毒は粘膜に症状が出るためヒト免疫不全ウイルス(HIV)にも感染しやすくなり、今年は14例で重複感染が確認されている。

 梅毒患者の性別は男性67人、女性30人(10月30日現在)。年代別では20代が29人と最多で、40代22人、30代17人、50代13人、60代と10代が各6人、70歳以上が4人だった。

 県内では2021年から患者数が急増しているが、その一因には新型コロナウイルスの影響で保健所機能が制限され、HIVと梅毒の同時検査が激減したことがある。2019年までは2千件を超えていた検査数が20年は434件、22年は10月末時点で81件と低いままだ。

 現状を受け、県は外来検査を行う県内4医療機関に委託し、通常数千円の料金を500円で受検できるようにする。11月15日から12月15日まで。また八重山保健所を除く県内保健所では、コロナで業務を制限しつつ無料・匿名での検査が可能。

(嘉陽拓也)