里子と元里親へのケア進めて 委託解除、有志の会が沖縄県に要請


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宮平道子県子ども生活福祉部長(右)に要請書を手渡す県里親有志の会の儀保由美子さん=7日、県庁

 児童相談所(児相)が今年1月に児童の里親委託を解除した事案で、県里親有志の会は7日、県庁で宮平道子県子ども生活福祉部長と面会し、6月の外部有識者調査委員会の中間報告から5カ月が経過しても、里子と元里親の面会や当事者のケアなどの進ちょくが見られないとして進展を求めた。県は、本庁と児相の職員らで構成するチームを作り対応に当たっていることを説明。宮平部長は児童と元里親が会う機会が必要だとの認識を示し「時間が予想外にかかっていることについてはご心配をお掛けしている」と述べた。

 また、子どもを見守る体制の構築には「元里親ご夫妻の力がぜひとも必要だ」と話した。

 要請書の提出に先だって有志メンバーは県庁で会見した。メンバーの一人は「元里親夫妻の最終目標は、里子を実親の元へかえすことだった」と強調した。別のメンバーは「里親が里子と別れるときは本当の親と子どもが別れるようなつらさを感じるが、理不尽な別れでなければ苦しいけど里親は耐えられる。でも理不尽さがあると里親は一生苦しみ、立ち直れない」と元里親が感じる苦痛を代弁。「この問題をなきものにしないで、一歩前進させてほしい」と訴えた。

 里親有志が出した要請書は調査委員会中間報告が示した八つの問題点と六つの提言への部としての見解と最終報告の公表と、元里親との交流に関して児童の意見を確認したかどうか、関係者の心のケアへの取り組みなど5項目を質問し、30日までの回答を求めた。
 (知念征尚)