与那国の日米共同訓練で玉城沖縄知事「なし崩しに危惧」 その懸念の中身とは


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会見で記者の質問に答える玉城デニー知事=10日午後、県庁(代表撮影)

 玉城デニー知事は10日の会見で、沖縄など全国各地で実施される日米共同統合演習「キーン・ソード23」で米軍が陸上自衛隊与那国駐屯地を共同使用する件について「日米の共同使用あるいは自衛隊の使用について、なし崩し的に物事が進められることを一番危惧している」などと警戒感を示した。

 玉城知事は「例えば米軍が駐留をするなど、これまでにない状況があれば、それは当然地元の住民に非常に大きな反発を招く。基地の過重負担につながるようなことは到底認められない」と強調した。米軍による自衛隊基地の使用が拡大する懸念を示した。同時に、基地負担の増大で地域とのあつれきが生じ「日米の安全保障体制にほころびを生じさせることがあっては本末転倒」と指摘した。

 一方、宮古島市が12月11日に航空自衛隊の曲芸飛行隊「ブルーインパルス」の展示飛行を下地島空港で実施できるよう県に要望している件について、玉城知事は否定的な見解を示した。

 日本政府と琉球政府が1971年に交わした、下地島空港を軍事利用しないとする「屋良覚書」を挙げ「私は屋良覚書の観点からも認められないだろうと考えている」と述べた。その上で「運用状況を確認し、さまざまな協議が必要」と述べ、今後可否を判断するとした。
 (梅田正覚)