プロバスケットボールBリーグ1部の2022―23シーズンは序盤戦を終えた。昨季から主力の入れ替えはあったものの、変わらず高い強度の守備とインサイドの強さを保つ西地区の琉球ゴールデンキングスは開幕から首位争いを繰り広げた。世界選手権アジア地区予選の日程と重なる中休みを明けてリーグは19日から再び熱戦を展開する。
通算成績は7勝2敗で現在3位。同じ勝敗数で1位に広島ドラゴンフライズ、2位に名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、4位に島根スサノオマジックが入るなど激戦となっている。
勝因の一つはリバウンド力だ。チームの1試合平均リバウンド数はここまで42・9本でリーグ1位を走る。19―20シーズンから2季連続でリーグのリバウンド王に輝いた大黒柱ジャック・クーリーのインサイドの強さは健在で、リーグ3位の平均11・9本の力を中心に2次、3次攻撃につなげている。
クーリーは得点でも現在チームトップの平均16・8点。2部門で2桁の数字を挙げる「ダブルダブル」を7試合で記録するなどプレーで引っ張った。さらにアレン・ダーラムが昨季から続き、「走れるビッグマン」として存在感を発揮。万能型で威力のあったドウェイン・エバンスは抜けたが、当たり負けせずインサイドで勝負ができ、精度の高い外角シュートを併せ持つ移籍組のジョシュ・ダンカンが違った強みとして徐々にチームになじんできた。
守りでは失点が9試合中、50点台2試合、60点台3試合と、持ち前の堅さを維持。名古屋Dに94点を与えて今季初黒星を喫した試合を除いては得点を抑え込んでいた。ただ入りの悪さが散見された。得点が停滞し、簡単なパスミスでターンオーバーを許す場面も目立った。3点シュートもリーグ15位の平均31・4%と伸び悩んだ。
今季キングスはプレーの目標に「ポジションレス」を掲げる。当たりが強く外角を得意とする松脇圭志を迎え入れ、外の動きに幅が広がった。並里成が移籍した今、コー・フリッピンのポイントガードとしての成長も鍵を握る。攻守の切り替え、ボール運び、攻撃の仕掛けなど、これまで積み上げてきた人もボールも動くバスケの進化へ。シーズンはまだ始まったばかり。インサイド中心となっている組み立てから変化が見られるか注目される。
(謝花史哲)