「有事をあおるほど、有事は現実のものになる」自衛隊強化に危機感 沖縄市でシンポ 先島への影響も議論


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県内への自衛隊配備強化を考える「沖縄のミサイル戦場化を許さない島々シンポジウム」で、宮古、石垣、与那国島などの状況について語る登壇者ら=12日、沖縄市民会館

 沖縄への自衛隊配備強化を考える「沖縄のミサイル戦場化を許さない島々シンポジウム」(ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会主催)が12日、沖縄市民会館で開かれた。元自衛官の軍事評論家・小西誠氏が講演し、自衛隊の文書などから沖縄に今後もミサイル部隊が展開される可能性を指摘。与那国、石垣、宮古島から参加した登壇者らは、自衛隊配備による住民への影響などを報告した。

 小西氏は「国家安全保障戦略」など安保関連3文書の改定の動きや、防衛費増額の政府方針を踏まえ、自衛隊ミサイルの長射程化と量産化が今後は一層進むとし、県内へのさらなる配備の可能性を指摘した。台湾有事を踏まえた米側の戦略は日本や台湾に武器売却を進めることだとして、「台湾有事をあおるほど、有事は現実のものになることも認識しなければならない」と述べた。

 与那国島の現状を報告した田里千代基町議は、人口減少が進む中で自立に向けた取り組みを進めたが、自衛隊配備によって住民が島民が分断され、亀裂が生まれたと指摘した。

 ノーモア沖縄戦命どぅ宝の会の山城博治共同代表、うるま島ぐるみ会議の照屋寛之共同代表、内原英聡石垣市議、ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会の清水早子共同代表らも登壇し、各地の状況を踏まえ議論を深めた。

(池田哲平)