海底光ケーブル、主要離島と沖縄本島を結ぶ接続が完了 北大東も開通、県が記念式典


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海底光ケーブル開通記念でテープカットする照屋義実副知事(左から2人目)ら。後方の映像は中継で北大東村関係者=14日、那覇市の県市町村自治会館

 沖縄県は14日、沖縄本島と北大東村を結ぶ海底光ケーブルの開通を記念し、那覇市の市町村自治会館と同村人材交流センターをオンラインで結び、式典を開いた。海底光ケーブルは今年3月までに敷設され、9月に一部世帯の高速ブロードバンド回線の整備工事を終えた。同村への開通により県内で市町村役所・役場がある15の離島全てに海底光ケーブルが接続された。

 北大東村は県内最東端に位置し、本島と同村間を結ぶ海底光ケーブルの長さは約410キロ。県内都市部と同様の高速大容量の通信環境が整備されたことで、離島でも都市部と変わらないオンラインの授業や診療などが受けられる環境が整った。事業費は一括交付金を活用した49億5千万円。

 同村は従来、既に海底光ケーブルが整備されている南大東村の基地局から無線中継でインターネットを利用していたが、通信容量増加で不安定になることが課題だった。

 北大東村の宮城光正村長は「村民が待ち望んでいた。産業、教育、医療、防災などさまざまな分野で活用され、関係人口や移住が促進され、村の振興発展に大きく寄与する」とあいさつした。

 照屋義実副知事は「引き続き『5G』(第5世代移動通信システム)をはじめとした情報基盤整備を進める」と述べた。

 県は2025年度の完成予定で北大東村と南大東村間に海底光ケーブルを敷設しており、これが完成すれば役場がある全離島で、双方向からケーブルがつながる「ループ化」が実現し、通信の安定化が期待される。
 (梅田正覚)