体が枝分かれして唐草模様みたい…珍ゴカイ「カラクサシリス」を展示 世界初、美ら海水族館


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無人潜水艇調査で採集したタカツキカイメンとカラクサシリス(矢印部分)(左)とカラクサシリスの展示風景(沖縄美ら海水族館提供)

 【本部】沖縄県本部町の沖縄美ら海水族館は、体が無数に枝分かれし、唐草模様のようになるゴカイ類の一種「カラクサシリス」を14日から世界で初めて展示している。19世紀末にフィリピンで報告された珍しい生物で、国内では2005年に相模湾から報告されたのを最後に発見の記録が途絶えていたが、美ら海水族館が今年4月、本部町沖の水深350メートルの海底で宿主であるタカツキカイメンと共に小型の無人潜水艇で採集した。

 同水族館によるとカラクサシリスはタカツキカイメンの内部をすみかとし、一つのカイメンに1個体のみが共生する。尾部に向かって体軸を幾度も分岐させることで、宿主であるカイメンの体内から広範囲に栄養を吸収するよう適応したと考えられているという。

 美ら海水族館は「体が分岐するゴカイ類は注目度が高い。展示水槽で観察できるほか、映像やパネルで生態や形態を詳しく見ることができる」と来場を呼び掛けている。 
(松堂秀樹)