紅型の技継承へコンペ進捗報告 普及団体、びんがたの日


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いい色・琉球びんがたの日に合わせてこれまでの取り組みなどについて報告した琉球びんがた普及コンソーシアムの関係者=16日、那覇市の八汐荘

 琉球びんがたの技を次世代に引き継ぐことを目的に制定された「いい色・琉球びんがたの日」の16日、琉球びんがた普及伝承コンソーシアム(屋冨祖幸子理事長)は那覇市内で会合を開き、琉球びんがたネクストデザインコンペティションの進捗状況などについて報告した。

 コンペティションは、紅型を産業として成長させることを目的とした企画。今年5月に受賞作が発表され、協賛企業などとのコラボレーションによる商品化に取り組んでいる。著作権は著作者に帰属し、商品化後はロイヤルティーが支払われる仕組みとなっている。

 日進商会(糸満市)は崎村歩未さん(25)の作品を、大胆な柄を生かした開襟のかりゆしウエアに仕上げる予定だ。来年5月中旬の発売を目指し、作業を進めている。開発課の我如古直裕課長は「県民にとって紅型は近くにあるのに遠い存在。まずは県民に着てほしい」と話した。デザインした崎村さんは県立芸大を卒業後、観光関連業に従事しながら紅型作りを続けている。「大学で紅型を学んでも続ける場所を見つけるのが難しい。このような形でロイヤルティーが支払われる仕組みがあれば、好きな物作りを続けていける」と喜んだ。 (玉城江梨子)