パラオで再生エネルギー普及拡大へ調査事業 浦添市と沖電Gの「シードおきなわ」 波照間の可倒式風車の導入など探る


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 【浦添】浦添市と沖縄電力グループのシードおきなわ(浦添市)は16日、パラオ共和国第2の都市アイライ州で、再生可能エネルギー(再エネ)の普及拡大に向けた調査を始めると発表した。調査は環境省の「脱炭素社会実現のための都市間連携事業」を活用したもので、県内の企業や自治体が同事業を受託したのは初めて。

 シードおきなわは今後、波照間島などにある可倒式風車の導入や系統安定化に関する調査を行う。浦添市は脱炭素社会形成に関する経験やノウハウをパラオに提供する。エネルギー需給に応じた発電量の調整を遠隔で制御する技術を開発しているネクステムズ(浦添市、比嘉直人社長)なども加わる。

 パラオでの調査は、浦添市と沖縄電力が昨年4月に締結した包括連携協定に基づくもの。都市間連携事業は最大3年まで延長できる事業で、1年間で最大2千万円の補助金が支給される。

 シードおきなわは、沖縄電力が持つ再エネに関するノウハウを、太平洋地域の島しょ国などに展開することを目的に昨年4月に設立。現在、南太平洋のパプアニューギニアでの技術支援に関する調査などを手掛けている。

 16日、シードおきなわの島袋清人社長が浦添市役所に松本哲治市長を訪ね、都市間連携事業を受託したことを報告した。島袋社長は「パラオと沖縄の付き合いは歴史的にも古い。事業を機に再エネに関する関係を強化したい」と語った。
 (吉田健一)

都市間連携事業を受託したことを松本哲治市長(左)に報告したシードおきなわの島袋清人社長=16日、浦添市役所
シードおきなわがパラオでの普及を調査検討している可倒式風力発電機=波照間島(沖縄電力提供)