「意見を発信することに意義」 12月の子どもの権利条約フォーラムに向け、沖縄の高校生が検討会議 きょう「子どもの権利の日」


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子どもの権利条約フォーラムに向けて意見を共有する県内高校生ら=15日、那覇市の国場児童館

 17日は県の「子どもの権利の日」。12月10、11の両日に「子どもの権利条約フォーラム」が初めて沖縄で開催されるにあたり、オープニング企画について実行委員と県内の高校生らが15日、那覇市の国場児童館で検討会議を開いた。参加者らは、子どもが意見を発信することは「大人にとってもいいことだ」などと意義を強調した。

 「権利の日」は、子どもの権利保障や虐待防止を目的として定められた。フォーラムの検討会議には高校生団体Lux(ルークス)の石川雄牙さん、赤嶺太一さん、津波古ひなのさん、照屋雄大さんとうるま市の高校生団体「Manabi―ya」の久保田玲仁さんが参加した。他の県内高校生や他県の子どもたちともオンラインで参加し、意見を交換した。

 オープニング企画は小学生から高校生までが参加する。テーマは「勉強」。Luxの赤嶺さんが提案した。学習支援をする子ども食堂にインタビューをした時に「受験にとらわれて必要な勉強ができない」との指摘が心に残っていたという。赤嶺さんの提案から「生きた学び」「学びたいことが学べる社会」「学びの貧困」とアイデアが膨らんだ。

 経済や非行と勉強の関係などにも話題は派生。当初子ども同士の意見交換を考えていたが、社会をつくるパートナーとして大人と子どもが意見交換する企画へと転換した。

 赤嶺さんは意見を共有し、採用されたことを通して「意見を発信することに意義を感じた」と振り返った。久保田さんは「子どもが大きい理想を話したり、新たな視点を提案したりすることは、大人にとっても子どもにとってもいいことだ」と思いを伝える。

 子どもの権利条約は1989年に国連で採択された。「生きる権利」「育つ権利」「守られる権利」「参加する権利」の大きく四つの権利を定めている。

 副実行委員長を務め、うるま市内で児童館などを運営する「りあん」の山城康代代表理事は「子どもは意見を言える存在であり、自分で決める力を持っている」とし、参加する高校生らを後押ししている。
 (金盛文香)