リゾテック閉幕「DX推進へ断捨離を」辻野元グーグル社長講演「過去と決別」強調


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DXを進める上で必要なことなどについて話す元Google日本法人社長の辻野晃一郎氏=18日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンター

 宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開かれた県内最大規模のIT・DX展示商談会「リゾテックエキスポ2022インオキナワ」(同実行委主催)は18日、2日間の日程を終えて閉幕した。

 18日は元Google日本法人の社長でアレックス社長の辻野晃一郎氏が「デジタル・トランスフォーメーション(DX)が沖縄にもたらすもの」と題して基調講演した。辻野氏は「今までの延長線上でやろうとすると結果的にDXを阻害する」として、未来を具体的に思い描き、行動していくことの必要性を説いた。

 経営革新としてのDXについて「どの企業も必要。専門家に丸投げするのではなく、経営トップがフルコミットし、率先していくこと」と指摘した。インターネットが出現する前と後で世界が大きく変わったことに触れ、「DXを進めるにはまず過去のレガシー(遺産)を捨てる。今までのやり方の延長線上でなんとかやろうとするのは結果的にDXを阻害する。断捨離を含めた徹底的な業務の棚卸しと整理が必要だ」とした。

 デジタル時代に求められる組織の特徴としては(1)縦割りや階層を減らしたフラットな組織(2)トップダウンよりも現場中心の全員参加型(3)個の自律性、自主性をサポートできる組織(4)データに基づきPDCAを高速で回せる組織―などを挙げた。

 「離島である沖縄は四方を海に閉ざされているのではなく、海で諸国とつながっているという世界観を持っている」という故翁長雄志前知事の言葉を紹介し、「デジタル時代のキーワードの一つがグローバル。沖縄の世界観はデジタル時代の本質を突いている。島国の内側を見るのではなく、目線を広く持って攻めに出ればチャンスがある」と話した。 (玉城江梨子)