【沖縄】プチぜいたくで広がる笑顔―。沖縄市の越来自治会(船越利幸会長)の「ご褒美(ほうび)ランチ」というユニークな取り組みが住民から喜ばれている。
「たまにはいいんじゃない?いつも頑張っている自分へのご褒美」。5年前、新公民館の完成を機に企画された「ご褒美ランチ」。2カ月ごとに実施され、今では毎回平均二十数人の住民が参加する“人気行事”になっている。
今年8月まで自治会長を務めた當山全克市議は、企画意図について「有名ホテルのランチに個人で行く機会はなかなかない。みんなで行けば豪華なバイキングを楽しみ、ゆんたくが弾む。自治会への要望がざっくばらんに出てくるようになった」と説明する。「住民の交流も活発になり一石三鳥の効果をもたらしている」と手応えを強調した。取り組みのため當山市議は中型バスの免許を取得して、今後も運転手役を担うという。
ランチ費用は大人2700円、65歳以上は2400円。これまで糸満市から那覇市、名護市と各地の有名ホテルを回っている。
コロナ禍で中断していたが今年4月に再開した。恩納村のリゾートホテルのバイキングを満喫し、道の駅で買い物も楽しんだ最高齢の新屋春子さん(92)は「毎回参加したいほどだ。遠足気分で豪華なランチがいただけるし、最高の気分です」と笑顔を見せた。船越会長は「反響が大きい取り組みで、特に交通手段に困っている高齢者の参加を呼び掛けていきたい」と話した。
(岸本健通信員)