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労働時間と賃金の現状 企業取り組みで改善へ<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 今年もまもなく勤労感謝の日が巡ってきます。2022年沖縄県勢要覧によると県内の就業者数は72万7千人(2020年平均)となっています。県内で就業者の割合が最も大きい業種は、医療・福祉16・0%、これに次ぐのが卸売業・小売業14・7%、建設業9・5%、宿泊業・飲食サービス業8・5%と続きます。

 2020年を振り返ると、2月にコロナ対策に関する政府の緊急事態宣言があり、現在に至るコロナ禍の始まりの時期に当たります。コロナ禍が始まる前年の2019年には働き方改革関連法が順次施行され、労働時間や賃金の見直しについて、企業の取り組みが活発になってきた時期と重なります。

 労働時間と賃金に関する調査を見ると、県内の就業者は全国と比較して長い時間働いている反面、賃金は少ない状況にあることがわかります。労働時間は沖縄県も全国同様、短縮する傾向を示しています。賃金は全国がわずかに減少傾向ですが、沖縄県は維持されておりわずかに上昇しています。

 コロナ対策による休業や営業時間の制限、コロナ対策における公的助成や最低賃金の引き上げ等、労働時間と賃金に影響を与える要因はさまざまありますが、働き方改革やコロナ対策の求めに応ずるように、県内の企業が雇用の維持、改善に取り組んでいる成果の一端とも受け取れます。

 私たちの職場環境や生活スタイルもすでに大きく変化してきており、今後も企業には人を大切にする働きやすい職場環境の整備がますます期待されます。

(沖縄銀行嘉手納支店支店長 上地智英)