ボクシング男子、泉川(中部商)がライト級頂点 けがからの復帰戦も相手を圧倒 全九州高校新人大会


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 全九州高校新人大会は20日、ボクシング、柔道、空手道を行った。那覇市の県体協スポーツ会館であったボクシング男子は、各県1位によるAパートライト級で泉川寛愛(中部商)が頂点に立った。同ライトウエルター級は川端響也(名護商工)が準優勝。各県2位によるBパートバンタム級は吉永羚将(宮古工)が1位になった。


 

Aパート ライト級決勝 第2ラウンド 相手の顔面をとらえる中部商の泉川寛愛(右)=20日、那覇市の県体協スポーツ会館(小川昌宏撮影)

 昨年けがした左肩に不安を抱えながらも、自分のペースに持ち込み相手を圧倒した。泉川寛愛(中部商2年)は、昨年準優勝だったAパートライト級で頂点を勝ち取った。それでも「九州は通過点。(優勝を)取って当たり前」とその先を見据えていた。

 約1年前に左肩を脱臼し手術した。今年の夏まで思うような練習ができず、新人大会を復帰戦と位置付けた。現在もリハビリ中で、「左はジャブだけ。フックは怖くて出せない」ほどの不安が残る。「それでも(勝利を)取らないと全国では通用しない」と自らを奮い立たせた。

 決勝の相手はインファイターだったが、持ち前のアウトボクシングでさばいて距離を保った。リーチの長い腕を生かしジャブで攻撃を組み立て、豊富な運動量で相手を翻弄(ほんろう)。最終ラウンドの鐘が鳴った瞬間は、判定勝ちを確信して左拳を掲げた。

 昨年の準優勝時も手にした来春の全国選抜への切符を再び手に入れた。今年はけがで辞退していただけに、全国に懸ける思いは強い。「全てにおいて力を付け、全国で優勝を目指したい」。リングに上がる気合は既に十分だ。

(金良孝矢)