沖縄県宮古島で発見されたチョウが、中国大陸東部に生息するクジャクアゲハの亜種の一つで、本来の生息地から離れた場所で見つかる「迷チョウ」だったことを九州大の小川浩太助教(進化生態学)が突き止めた。迷チョウのルーツが明らかになるのは珍しい。
迷チョウは台風などで遠くに運ばれ、移動先で定着したり、在来種と交雑したりして生態系に影響を与えることがある。
小川さんは2020年2月、宮古島で羽を広げたときの幅が約75ミリのカラスアゲハに似たチョウを捕獲。米国の遺伝子データバンクや九州大の昆虫標本コレクションを利用して遺伝子配列や形態の特徴を詳細に検討した結果、中国大陸から飛来したクジャクアゲハだと結論づけた。
(共同通信)