肉類輸出 沖縄倍増10億円 21年前年比 過去最高、牛肉けん引


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 沖縄地区税関は23日までに、2021年に沖縄から輸出された食肉やその加工品などの「肉類および同調製品」が数量で前年比67・7%増の280トン、金額で同2・11倍の10億7675万円となり、量、金額ともに過去最高を記録したと発表した。このうち牛肉の輸出が数量ベースで56・5%、金額ベースで81・9%を占め、全体をけん引した。

 今年に入ってからも1~9月の輸出量が前年同期比17・5%増228トン、金額で48・2%増の10億7618万円となり、引き続き好調に推移している。沖縄地区税関は、業界からのヒアリングとして、シンガポールやタイなど東南アジアへの展開が期待されることなどから今後も輸出は堅調に推移するとみている。貿易統計のため、県産か県外産かなどの産地は特定できない。

 金額順に輸出先を見ると、香港が8億722万円で75%、シンガポールが1億8483万円で17・2%、タイが6016万円で5・6%、台湾が2453万円で2・3%。

 肉類の輸出実績は06年から表れ始めた。09年10月に那覇国際空港貨物ハブが始まったことで順調に増加した。

 牛肉については、17年に台湾が日本からの輸入を再開したことや、県内で輸出を取り扱う業者が増えたこともあり、19年に115トンを記録した。

 新型コロナウイルス禍によって那覇空港の貨物専用機の運航が停止した後も、羽田空港や成田空港を経由した輸出は継続された。コロナ禍により海外飲食店の需要が低下した20年は輸出が落ち込んだものの、21年以降は巣ごもり需要などに支えられた卸販売の回復により盛り返している。

 業界へのヒアリングでは課題としては、県内に輸出相手国の基準を満たす食肉加工施設がなく、牛を九州に運んで食肉処理したものを再度沖縄に運んでいることなどが指摘された。

(沖田有吾)