尖閣情報「見極め必要」 都内で佐藤、泉川さんら講演


社会
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佐藤優さん(右から2人目)や泉川友樹さんらが登壇し尖閣などについて討議したセミナー=23日、東京都の私学会館

 【東京】「東アジア国境紛争の歴史と論理」(石井明、朱建栄編)の出版を記念したセミナーが23日、東京の私学会館であった。作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんや沖縄国際大学特別研究員の泉川友樹さんらが尖閣など国境問題で講演。脅威とは裏腹の実態が尖閣情報にあることを説明し、冷静に読み解く必要性を呼び掛けた。

 泉川さんは中国が領海侵入している日数は実際には減少傾向にあり、外交関係をみても「一触即発の状況になく、外交当局でリスクマネジメントはできている」とデータを基に説明した。

 また尖閣問題を複雑化させる要因として民間船の動きを指摘。「単なる漁船ではなく政治的な目的がある」と述べ、一部の動きにとらわれず正確な情報の見極めを説いた。

 佐藤さんはウクライナ後のロシアとの関係改善について国内企業とロシアとの連携が継続している事実に触れ「米、ヨーロッパより早く改善できるのでは」と推測した。

 (斎藤学)