【東京】米軍基地周辺で問題となっている有機フッ素化合物(PFAS)汚染の問題について、厚生労働省が来年1月中に、水道水に含有されるPFAS濃度の指針値見直しを議題として有識者会議を開くことが分かった。沖縄県内でPFAS汚染問題に取り組む市民団体が25日、参院議員会館で汚染への対応を要請した際、同省水道課の横井三知貴水道水質管理官が明らかにした。
厚労省が開催を調整するのは、水質基準に関する有識者を集めた「水質基準逐次改正検討会」。国外などでPFAS規制の基準変更などで新たな動きがあったことなどを踏まえ、指針値を見直すかどうか議論する。厳格化だけでなく、横井氏は日本国内の基準を緩和する可能性も視野に入れていると説明した。
米環境保護庁(EPA)は、飲料水として生涯摂取し続けていい濃度を表す「生涯健康勧告値」を引き下げた。これまでPFASの一種であるPFOSとPFOAの合計を1リットル当たり70ナノグラム以下としていたが、PFOSを同0・02ナノグラム以下、PFOAを同0・004ナノグラム以下とした。
一方、厚労省によると、世界保健機関(WHO)が飲料水に関する水質ガイドライン値の案はPFOSとPFOAそれぞれ100ナノグラムとしており、日本の指針値よりも緩い。
(明真南斗)