「はじめの一歩」就業体験を鮮やかに表現 宮古特支2年の久貝さん優秀賞 キラキラっとアートコンクール


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 【宮古島】宮古特別支援学校2年の久貝弘太郎さん(17)がこのほど、第21回「キラキラっとアートコンクール(主催・三菱地所)」で優秀賞を受賞した。全国から応募のあった1006点の絵画うち50点に県内で唯一、選ばれた。宮古島から初の栄誉に「びっくりした。絵を描くのが好きになった」と笑った。

久貝弘太郎さんの作品「はじめの一歩」

 作品は「はじめの一歩」と題して就業体験で訪れた宮古島市内の書店での一幕を表した。「掃除をして、本をきれいに整頓した時の様子を思い出しながら描いた」

 色鉛筆とアクリルガッシュなど3種の絵の具の特性を巧みに使い分けた。色使いや筆の運び、背景の配色などを工夫し、働くことの「ワクワク感」と「うまくできるだろうか」という緊張や不安、売り場で本をきれいに陳列し終えた時の充実感を巧みに表した。最も苦労したのは「陳列している本」と振り返る。「1冊ずつ鮮やかに仕上げるのが大変だった」

賞状を手に恥ずかしそうに笑う久貝弘太郎さん=22日午後、宮古島市平良狩俣の県立宮古特別支援学校

 将来の夢は「飲食業での接客」。人と話すのは苦手だが「(受賞で)自分に自信が生まれた。絵を描くことも続けたいし、いろんなことに挑戦したい」と話した。

 コンクールは三菱地所が「障がいのある子どもたちの可能性を応援したい」と2002年から全国規模で開催している。優秀賞の50作品は全国で展覧会も開くほか、同コンクールのホームページでも公開する。久貝さんの作品も3日から東京や大阪、名古屋など全国9都市で展示されている。

(佐野真慈)