陸上 座間味が男子100メートルV 競技歴5カ月、動画研究が奏功 県民体育大会


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 第74回県民体育大会が26日、開幕した。陸上男子100メートルは座間味凜玖(うるま)が10秒56で優勝。女子走り高跳びは1メートル73で徳本鈴奈(糸満)が制した。自転車男子1キロタイムトライアル中学で久貝一心(うるま)が1分15秒973の好タイムで優勝した。久貝は200メートルタイムトライアル中学でも1位。相撲団体は浦添が負けなしで頂点に立ち、個人一般の山本浩太、個人青年の東黒島治将がそれぞれ団体との2冠となった。空手の市郡対抗総合はうるまが121点で1位だった。


 

懸命に胸を出し、きっ抗したレースを制した座間味凜玖=26日、糸満市の西崎陸上競技場(名嘉一心撮影)

 ゴールまで激しい競り合いとなった男子100メートルを制したのは本格的な競技経験の浅いダークホースだった。座間味凜玖(うるま市)は「スタートダッシュと前傾姿勢を意識した」と40メートル付近からぐんぐん加速。「2~3人が横に見えた。踏ん張れば勝てる」。終盤も失速することなく、大会記録に0・02秒と迫る10秒56でゴールした。

 「本格的に走り始めたのは5カ月前から」。小中高と野球に明け暮れた。部活や体育の記録会の度にタイムが縮む「快感」が忘れられず、短距離走に興味を持っていた。専門学校に通いながら、坂道ダッシュや下半身強化のための筋トレを独自に続けてきた。

 100メートルで力試しがしたいと、県民体育大会への出場を決めた。6月頃から週5回と増やした練習で、国内外のトップ選手らが配信する動画から体の動かし方やフォームを学び、取り入れた。「自分なりに研究したのが勝利の要因」と振り返った。

 来年、大学への編入を検討している。「陸上部に入って、より専門的な練習を積み、来年は大会記録を更新したい」と意欲を見せた。

(名嘉一心)