宮里藍に憧れ、松山秀樹の背中追い…尊敬する人は具志堅用高 賞金王・比嘉一貴はどんな人?


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ホールアウトし、ギャラリーの声援に笑顔を見せながら引き上げる比嘉一貴=27日、高知県芸西村のKochi黒潮カントリークラブ(小川昌宏撮影)

 身長158センチ。小柄な27歳のゴルファーが大きなタイトルを手にした。「自分ならできると信じてきた。夢がかなってうれしい」。偉大な先人の背中を追い、研さんを積んできた成果を示した。

 ゴルフを始めたのは10歳。沖縄から世界に羽ばたいた同郷のスター、宮里藍さんに憧れた。「僕は藍さん世代。藍さんがすごく活躍していた時期にゴルフを始めた。影響は大きかった」と競技にのめり込んでいった。本部高時代には宮里3きょうだいの父優さんに師事し、力をつけた。

 進学先に選んだのは、昨年のマスターズ・トーナメントを制した松山英樹も腕を磨いた東北福祉大だった。4学年上の先輩は在学中にツアー優勝を果たし、海外でも活躍。学生プロで2013年には日本ツアーの賞金王になった。「松山さんを見て、大学時代を過ごした。どうやったら追い付けるんだろうと考えていた」と振り返る。

 17年にプロ転向し、19年にツアー初優勝。体幹のトレーニングに励んで臨んだ今季は得意のアイアンショットに加え、アプローチやパットの正確さで4勝を挙げた。ティーショットの平均飛距離はツアーで50位前後。「周りと飛距離が違っても、自分が全部うまくなればいい」との信念を貫き、長所を伸ばしてきた。

 尊敬する人はボクシング元世界王者の具志堅用高さんという。日本中を沸かせた地元の英雄のように、子どもたちに夢を与えられる存在へ。「沖縄を代表するアスリート、ゴルファーになりたい」と意気込む。

(共同通信)