沖縄SV、新たなステージへ 4度目挑戦でつかんだJFL昇格 守備強化、大舞台で結実


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沖縄SV―FC刈谷 前半13分、先制点を決めて喜ぶ沖縄SVの山田雄太(大城三太撮影)

 沖縄SVは4度目の挑戦でJFL昇格を射止めた。一つ一つ積み上げてきた自分たちのスタイルを、大舞台で結実させた。

 勝利しか許されない最終戦で大役を果たしたのはFW山田雄太。前半13分、左サイドでボールを受けると、中に切り込みながらDFを2人かわし「GKの動きとは反対側を狙った」と隙を突いてゴール左隅に蹴り込んだ。2点目は38分、自陣からのカウンターで一木立一が左方向へドリブルしDF3人を引き付け、ノーマークだった右の山田へ絶妙のタイミングでパス。きっちり山田が右隅へと流し込んだ。歯車がかみ合い、前半で3得点と突き放した。九州リーグは20得点で得点ランキング2位、22点で1位の一木立一と共に、今季加入組の2人がチームを栄冠へと導いた。

 10月の全国社会人選手権で2回戦敗退した後、1次リーグで6―0と大勝したアルティスタ浅間(長野)と練習試合をし、0―5で敗れていた。そこで浮かび上がった課題が、守備と中盤でのプレスのかけ方だった。秋本和希主将は「1人がプレスにいった後のカバーが必要だった。後方に1人余裕を持たせて2度追いする役目を僕らボランチが意識するようにした」と大きな守備力アップにつなげた。それを証明するように6試合無失点で締めた。

 チーム5年目で守備の要、34歳の岡根直哉は「諦めそうになった時もある。引退するまでに昇格を成し遂げることができ、こみ上げるものがある」と涙をこらえていた。

 (大城三太)


 サッカーの全国地域チャンピオンズリーグ(CL)決勝ラウンド最終日は27日、埼玉県の熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で第3節を行い、沖縄SV(九州)がFC刈谷(東海、愛知)に4―0で勝利した。1勝2分けで勝ち点を5に伸ばし、2位で日本フットボールリーグ(JFL)昇格を手にした。1位は栃木シティ(関東、栃木)を3―1で破り、勝ち点7を獲得したブリオベッカ浦安(全国社会人1位、千葉)だった。沖縄SVは1次ラウンドからの全6戦を無失点とし、守備力が光った。最終戦は4得点と圧倒的に攻め抜き勝利で飾った。髙原直泰、儀保幸英、戸高弘貴、髙柳一誠が交代で途中出場した。