「選手の力を見極め、持っている力をどう発揮させるか」髙原監督のチームづくりとは 沖縄SVがJFL昇格


社会
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髙原直泰監督

 4度目の挑戦で念願のJFL昇格をつかみ、「1年間よく頑張ってくれた」と選手たちと喜びを分かち合った。階段を一歩ずつ登るように地道に戦歴を積み上げてきた。試合後の会見で「FWでやってきた僕が、6試合無失点で抑えるチームをつくるとは誰も思っていなかったはず」と苦笑いする。その守備力こそが、間違いなく昇格をつかむ鍵となった。

 監督として「選手の特長を見極めながら、型にはめないように、持っている力をどう発揮させてあげられるかばかりを考えていた」とチームづくりをしてきた。全国地域CLを迎える前には「自分の経験不足で守備のほころびに気付かなかった」と、度重なる失点という課題を突き付けられた。敗れた試合で、動きがうまくかみ合わない違和感を選手と話し合いながら修正し、本番までに仕上げてきた。「選手たちに感謝したい」と何度も言葉が出た。

 「地域に根差し、課題解決や地域創生を広げていくためにも昇格は必要不可欠な結果」と本業であるスポーツで結果を示した。一方で「両輪」と捉えるのが農業生産事業だ。2021年に農業法人を設立し、19年から県内で始めた県産コーヒー栽培を本格化させた。選手のセカンドキャリアにもつなげ、地域密着を掲げる。

 チームの正式名称はドイツ語で「沖縄スポーツクラブ」を表す「オキナワ・シュポルト・フェァイン」で略称は「OSV」(オーエスファウ)。

 静岡県生まれ。FWとしてJ1ジュビロ磐田、ドイツ1部ハンブルガーSVや日本代表などで活躍した。43歳。

 (大城三太)


選手に感謝

 髙原直泰監督兼選手(沖縄SV)の話 頑張った選手たちに感謝したい。自分たちのやってきたことの集大成という気持ちで臨んだ。今年は戦える選手がそろって、どう力を発揮させてあげられるかばかりを考えていた。選手たちが戦いながら進化し、成長してくれた。