ボクシング 岸本が女子フライ級日本一 4度目の決勝の舞台で僅差で制す ジョンソンは男子ライトヘビー級準V 全日本選手権


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 ボクシングの全日本選手権大会最終日は27日、東京都の墨田区総合体育館で各階級の決勝を行った。女子フライ級の岸本有彩(嘉手納高―東洋大)は吉原憧子(拓殖大)を3―2の僅差の判定で下し、初めての日本一をつかんだ。男子ライトヘビー級のジョンソン・ジュリアン(沖縄水産高教諭)は、昨年の東京五輪代表の森脇唯人(自衛隊体育学校)に0―5の判定で敗れ準優勝となった。

 東京五輪女子フェザー級金メダリストで現役最後の大会となった入江聖奈が吉沢颯希(ともに日体大)に5―0で判定勝ちし、2年連続3度目の優勝を果たした。東京五輪女子フライ級銅メダルで今大会はライトフライ級に出場の並木月海(自衛隊)は篠原光(青学大)に5―0で判定勝ちした。


 

】女子フライ級で初の日本一に輝いた岸本有彩(提供)

 最終の第3ラウンドで逆襲の攻めを見せた岸本有彩(嘉手納高出―東洋大2年)が、3―2の僅差で判定勝ちを収めた。中学時代から4度目となる全国決勝の舞台となったが、日本一のタイトルは初。優勝が分かると、右拳を高く掲げて「よっしゃー」と顔をくしゃくしゃにして喜んだ。

 相手は162センチと同じ身長で、初めて相まみえる選手。サウスポースタイルから独特の間合いで距離を取って攻撃を組み立てた。

 第1ラウンドは左ストレートを決めるなどして3―2の優勢に。第2ラウンドで減点を取られて1―4の劣勢になったが、慌てなかった。迎えた最終ラウンド。コーチらにハッパも掛けられ、「ここで取るぞ」と気合を入れた。積極的に攻めて右ストレートを決め、さらにコンビネーションで畳み掛けた。

 勝利インタビューは開口一番、「沖縄にいる家族や友人、ジムの会長に感謝の気持ちを伝えたい」と述べたのは、前もって準備していたコメントだった。育ててくれた周囲のおかげで「ここまで来れた」と振り返る。

 目標は2024年のパリ五輪出場。「ここからがスタート。まだまだ強くなれる」と挑戦者の気持ちは忘れなかった。

(金良孝矢)