南西石油、卸業者に値上げ通知 調達費増で経営圧迫


社会
この記事を書いた人 志良堂 仁

 ことし4月に原油精製事業を停止した南西石油(西原町、リンコン・シオジロ・イシカワ社長)が、県内石油卸業者らに11月から石油製品販売価格を引き上げると通知していたことが28日、分かった。精製停止によって増えた国内外からの石油製品調達経費が経営を圧迫している模様だ。さらに親会社のブラジル国営企業ペトロブラスの沖縄撤退に伴い「3月31日以降、販売契約を一切更新しない」とも通達。南西石油の新たな運営体制への移行は停滞している状況で、来年4月以降の県内の石油供給体制が不透明さを増している。

 通知は9月30日付の文書で送られた。卸売価格の改定理由として「石油製品の購入価格が頻繁に販売価格を上回る逆ざや価格状況のため、運営維持ができなくなるほど損失を計上している」と説明している。
 関係者によると、値上げ改定を拒否する企業もあるなど県内卸業者の間で反発が強く、南西石油側は来月1日からの実施は見送った上で交渉を続ける姿勢を示しているという。
 琉球新報の取材に南西石油は「ビジネスや取引等に関する情報は機密情報と見なされているため、開示できかねる」と回答した。
(長嶺真輝)