「スポーツが面白いと感じる環境を」休日の部活の地域移行、課題や方向性を議論 沖縄市でシンポ


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シンポジウムに登壇した(左から)慶田花英太氏、譜久里武氏、石塚大輔氏、小波津周史氏=15日、沖縄市の県立総合教育センター

 休日の運動部活動の地域移行を巡り、課題や対応策への理解を深めることを目的にした県教育委員会主催の講演会・シンポジウムが15日、沖縄市の県立総合教育センターで開かれた。行政や学校関係者らが参加し、意見を交えた。

 シンポジウムは「未来の沖縄型部活動のカタチ」を主題に、沖縄国際大准教授の慶田花英太さん、スポーツデータバンク沖縄代表の石塚大輔さん、アスリート工房代表の譜久里武さん、浦西中教諭の小波津周史さんが登壇。琉球大教授の宮城政也さんが進行した。

 スポーツ庁の検討会議委員を務めた石塚さんは、地域移行の重要なポイントに(1)制度設計(2)人材(3)財源確保―の3点を提示。「スポーツ環境をさらに発展させるためにどう設計するかが大きな方向性になる」と語った。

 参加者から指導継続を希望する教員もいると意見があった。国は指導希望の教員を、土日は地域の受け皿に所属させる方向性を示しているとし、保健体育課の城間敏生課長は「県教委でも今後兼職兼業の制度設計をしていく」と語った。

 地域移行の最善の形を問う声もあった。総合型地域スポーツクラブの普及育成に携わってきた慶田花さんは「受け皿がない地域もあり、市町村教委や既存のスポーツ協会などが受け皿団体をつくる可能性は出てくると思う」と指摘。総合型地域スポーツクラブを運営する譜久里さんは「過疎地域での課題もある。子どもが居心地がいい、スポーツが面白いと感じる環境をつくることが大事だ」と語った。

 九州中体連ハンドボールブロック長の小波津さんは「完全実施までに、全国大会の参加要件の整理整頓を進めたい」と話した。
 (吉田早希)