緻密に、鮮やかに、独創的な作品が一堂に アートキャンプ「素朴の大砲」展が開幕 障がいのある作家15人が出展 沖縄・那覇


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オープニングセレモニーに参加した「素朴と大砲」展の作家と家族ら=29日、県立博物館・美術館県民ギャラリー

 沖縄県立博物館・美術館県民ギャラリーで29日、アートキャンプ2022「素朴の大砲」展(主催・アートキャンプ2001実行委員会、若竹福祉会)が開幕した。2001年以降の展示会で紹介してきた、障がいのある作家の中から選抜した15人の作品を展示している。針金でできたユーモラスな造形や緻密な点描など、作者のこだわりが詰まった独創的な作品が並ぶ。入場無料。12月4日まで。

 同実行委員会は、障がい者の表現活動の支援を目的に2001年から県内各地で展示会を開催してきた。朝妻彰代表は「障がいがある故に埋もれていた素晴らしい作品を紹介してきた。今回も素朴だが大砲並みのインパクトのある作品がそろう。一人でも多くの人に見てほしい」と話す。

ワイヤーを組み合わせた立体作品を手掛ける作家の玉城優飛さん

 オープニングセレモニーには6人の作家が出席した。ラッピング用のワイヤーなどを用いて立体作品を造る玉城優飛さん(22)=うるま市=は「今後、作品がもっと進化する可能性があるのでご期待ください」とあいさつした。

 玉城さんは、才能を見いだされて昨年から出展する新進気鋭の作家だ。カラフルなワイヤーをいくつも組み合わせてドラゴンや騎士などを形作る。「頭の中にいる生き物を形にしている。自分しか作れない家族のような作品です」と説明する。近所の学童クラブの依頼で子どもたちに造形指導もしているという。「今後は大型作品に挑戦したい」と意気込みを語った。

 同展の開館時間は午前9時~午後6時。金・土曜日は午後8時まで。最終日は午後3時まで。
(赤嶺玲子)