沖縄県内の公立中学でも定期テスト廃止の動き 「重点的に勉強できる」「負担増えた」生徒や教員に反応さまざま


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 公立中学校で中間・期末などの定期テストを廃止する学校が出始めた。全国的に広がり、県内では本年度から増えつつある。出題範囲の広い定期テストを廃止する代わりに、単元ごとのテストや小テストを組み合わせて実施する学校が多いとみられる。生徒や保護者からは「単元テストの方が出題範囲が狭いので重点的に勉強できる」「受験を考えると定期テストは役立つ」など、さまざまな反応が上がる。教員にも「細かく授業が改善できる」「テスト準備の負担が増えた」など賛否ある。定期テスト廃止後に再開した学校もあり、改革途上だ。

 豊見城中は本年度から単元ごとのテストに切り替えた。よりきめ細かく指導できると効果を感じているという。年2回の実力テストも実施し課題を探りながら対応する。

 本年度から定期テストが英語、数学、国語のみになった沖縄東中に通う3年の男子生徒は「理科と社会が単元テストになり、少し気持ちが楽になった。得意科目に集中できるので席次も上がった」と捉える。

 主要科目では定期テストが続くことには「復習にも力が入る。学力が付くと実感できる」と話した。

 「廃止すべき」と考える30代の中学校教員は「受験校選びの指標は全国模試を活用すればいい。定期テストの廃止は働き方改革になる」と話した。中南部で学習塾を経営する30代の男性は「こつこつ頑張る生徒ほど、その時点の成果をテストで試すので、廃止してほしくないはずだ。全国模試は有料だから負担できない家庭の生徒が困る」と指摘した。
 (嘉数陽、吉田早希)