沖縄県内のHIV検査体制を拡充 人口比でエイズ患者数が全国最多も検査数少なく 早期発見・治療を呼び掛け きょう世界エイズデー


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 沖縄県は12月1日の「世界エイズデー」に向けて、保健所や医療機関で行うHIVなどの検査体制を拡充している。県内では今年1月~11月13日までにHIV感染者が6人、エイズ患者が8人確認されている。1987年以降、感染者と患者は合計で472人に上る。診断時にエイズを発症している患者の割合が高いため、県ワクチン・検査推進課は「検査が遅れて重篤な症状を示す人が多い」と、早期検査や治療を呼び掛けている。

 同課によると、2021年に確認されたHIV感染者は16人、エイズ患者は10人。都道府県別の人口10万人当たりではHIV感染者は1.09人で全国2位、エイズ患者は0・68人で全国1位だった。しかし、人口10万人あたりの抗体検査数は4.09人と全国で2番目に少ない。

 例年2000~2500件で推移していたHIV抗体検査数はコロナ禍で激減し、今年は10月末時点で117件に落ち込んでいる。そのため、県は管轄する保健所5カ所の検査業務を10月から順次再開している。八重山保健所は2年4カ月ぶりに再開するという。県内では医療機関6カ所で検査を行ってきたが、12月までに8カ所に増やすという。

 玉城デニー知事は11月25日の定例記者会見で「HIVや梅毒の早期発見、早期治療のため、感染の不安がある人は保健所へ相談し、医療機関などでの検査を受けてほしい」と呼び掛けた。
 (嘉陽拓也)