飼育環境、村の再三の指導にも状況変わらず 沖縄・南大東の多頭飼育崩壊 県の今後の対応は


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保護した猫の記録を取る捜査員=30日午後5時ごろ、南大東村在所

 【南大東】南大東村での猫の多頭飼育崩壊について村は何度も飼育環境の改善を求めていた。しかし、状況は変わらず、9月と11月に立ち入り調査に踏み切っていた。問題となった多頭飼育については、県は届け出制の導入も含めて検討を進めていくとした。

 村ではこれまで、猫が媒介する感染症や、国指定天然記念物「ダイトウオオコウモリ」が野良猫に捕食される事案などが発生していた。住民が被害に悩まされる一方、女は家屋に猫を連れ帰り、餌やりなどを続けていた。

 事態を重く見た村は2019年、「村飼い猫の適正な飼養および管理に関する条例」を施行。女に対して餌やり禁止などの指導を重ねてきたが、状況は変わらなかった。村は「猫のためにも条例を遵守し適正な飼育をしてほしい」と強調した。

 県環境部自然保護課は多頭飼育自体を規制する法もなく、動物愛護管理に関する県条例もないことから「市町村などから報告が上がってこないと把握できない」と説明。「条例を制定する場合、多頭飼育の届け出制の導入も検討していくことになるだろう」とした。

 女が飼育していた猫について、県は何度かに分けて県動物愛護管理センター(南城市)に移送する方針。センターは動物愛護団体と協力しながら、譲渡先を探していく。
 (照屋大哲、安里周悟)