反撃能力、「自衛権行使の3要件」を満たす場合に発動 定義案判明、安保3文書に明記へ


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
首相官邸

 政府が保有を検討する反撃能力(敵基地攻撃能力)の定義案が判明した。「自衛権行使の3要件」を満たす場合に発動すると強調。「相手からミサイルが発射される際」に、ミサイル防衛網で防ぎつつ反撃能力を行使し、さらなる武力攻撃を防ぐとした。「発射された際」と過去形にしなかったのは、攻撃の着手を把握した場合に行使する余地を残すためとみられる。月内に改定する国家安全保障戦略など関連3文書に反映させる。関係者が1日、明らかにした。自民、公明両党は2日、実務者会合を開き、反撃能力の保有で合意する見通しだ。

 政府案では、能力発動について「わが国に対する武力攻撃が発生し、弾道ミサイル等による攻撃が行われた場合」と規定。行使の規模に関しては「攻撃を防ぐのに万やむを得ない必要最小限」とした。具体的手段としては「相手の領域において有効な反撃を加えることを可能とする『スタンド・オフ防衛能力』を活用」と位置付けた。

 能力保有の意義を巡っては「武力攻撃そのものを抑止する」と強調。専守防衛の理念や、先制攻撃は許されないとの考え方に変更はないとした。

 自衛権行使の3要件は従来の武力行使の要件と同じで(1)武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされる(2)他に排除する手段がない(3)必要最小限度の実力行使―で構成される。「自衛権行使」と呼ぶことで、自衛の範囲だと内外に明示する狙いがありそうだ。
(共同通信)