沖縄に自然史博物館を 那覇でシンポ、設立意義など議論


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国立自然史博物館を沖縄に設立する意義などを考えたシンポジウム=11月30日、那覇文化芸術劇場なはーと

 国立自然史博物館の沖縄誘致への機運を高めようと、県は11月30日、那覇市久茂地の那覇文化芸術劇場「なはーと」でシンポジウム「国立沖縄自然史博物館と沖縄の未来」を開いた。自治体職員や議員ら約530人が参加。研究者や経済団体代表らが講演やパネルディスカッションを行い、沖縄に日本初の国立自然史博物館を設立する意義などを考えた。

 講演で琉球大の西田睦学長は「先進国には充実した自然史博物館がある」とし、アジア初となる同博物館設立の重要性を強調。生物多様性や東・東南アジアとの地理的・心理的近さなどを挙げ、沖縄への設立を訴えた。総合研究大学院大の長谷川眞理子学長(自然人類学)も沖縄の地理的重要性に言及した上で、「次世代に残したい地球の姿を考えてもらう場にすべきだ」と話した。

 パネルディスカッションでは、同博物館と民間企業との協業や設立までの課題などが論点となった。県民への普及・啓発や国への働きかけが必要とする指摘があったほか、会場からは地域振興の観点から早期の設立を要望する声が相次いだ。
 (眞﨑裕史)