歴代宝案 記憶遺産目指す 台湾政府 大学所蔵写本を登録


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 台湾大学図書館が所蔵する琉球王国の外交文書「歴代宝案」(計249冊)の写本が世界記憶遺産の台湾内の候補リスト「世界記憶国家名録」に登録されたことが2日までに分かった。「歴代宝案」の原本は関東大震災や沖縄戦で失われ、原本のほぼ全容が残るのは同大図書館所蔵の写本のみ。日本の文部科学省に相当する台湾文化部は取材に「今後、民間団体や学術機関を通して国連教育科学文化機関(ユネスコ)の『世界の記憶』(世界記憶遺産)への申請登録の可能性を探ってみたい」と展望を語った。 

 「歴代宝案」は、琉球王国が主に中国や朝鮮、タイなどの周辺国との間で交わした外交文書をまとめており、中近世外交史の根本史料だ。
 (呉俐君)