復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉12月3日「衆院選投票まで1週間」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年12月3日の琉球新報1面トップは、「衆院選投票まで1週間/各党、最後の攻防/内政中心に政策対決」との見出しで、終盤戦に入った衆院選の動向を伝えている。関連で沖縄選挙区の状況として「大票田固めに苦心/8候補選対〝決戦体制〟をしく」と紹介している。

 さらに「選挙レーダー」は「明暗決める〝投票率〟」との見出しで、当日の有権者の出足を気にする陣営の思惑を伝えている。

 コザ市で起きた米兵によるサウナ従業員殺人事件について「日米地位協定を検討/日弁連/サウナ殺人で見解/裁判権行使妨げる」との見出しで、サウナ従業員殺人事件への日弁連の見解を紹介している。

 この殺人事件に関して「あす米総領事館に抗議/復帰協、米兵即時引き渡し要求」と、沖縄で起こっている事件への抗議の動きを伝えている。

 

 

 

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。