米軍旧駐機場の防錆施設「建設止めよ」 嘉手納基地前で住民ら150人初抗議集会 F22配備反対も訴え


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防錆整備格納庫の移設計画に抗議する住民ら=2日、北谷町砂辺の嘉手納基地第1ゲート前

 【中部】米空軍嘉手納基地の住民居住地域に近い旧駐機場「パパループ」付近に防錆(ぼうせい)整備格納庫の移設が計画されている問題で、同基地周辺に住む住民らによる抗議集会が2日、嘉手納基地第1ゲート前で開かれた。移設計画に対する住民抗議集会は初めて。主催者発表で約150人が集まり、「さび落とし格納庫の移設反対」と抗議の声を上げた。

 防錆整備格納庫の第4次嘉手納基地爆音差止訴訟原告団と沖縄平和運動センター、中部地区労働組合協議会が共催で実施した。F15戦闘機の退役作業に伴い暫定配備されているF22ラプターステルス戦闘機の配備反対についても訴えた。

 航空機の離着陸音が響き渡る中、嘉手納基地第1ゲートがある北谷町砂辺の国道58号線沿いに、「格納庫の建設止めよ!」などと書いたのぼりがはためいた。

 嘉手納爆音訴訟原告団の新川秀清団長(85)は「地元や県議会も反対する中で格納庫の整備計画が進められ、新たにF22も配備するのは強化そのものだ。77年前から続く、沖縄が苦しむ状態をなくさないといけない」と語った。

 原告団嘉手納支部の福地勉支部長(73)は「(騒音や汚染が危惧される)ブラックボックスのような施設ができるのが怖い。とにかく多くの人に基地被害の現状を知って、理解してほしい」と呼び掛けた。

 住民らによる集会について、琉球新報の取材に當山宏町長は「町や町議会、県議会の相次ぐ反対や要請を受け、日本政府は鋭意、米側と協議を重ねていると思う。一方で改善されない状況に危機感を抱いていることの表れだ」と述べた。

 當山町長は週明けの5日にも上京し、政府関係者らに防錆整備格納庫に関する現計画の撤回を、米側に働き掛けるよう要請する。開催を求める声がある町民大会については、要請後の動きを踏まえて検討するとした。

 住民居住地域や町役場と近距離にある旧駐機場付近に防錆整備格納庫が整備されれば、騒音や悪臭の被害増大が見込まれるとして、建設場所の見直しを求める地元の反発が高まっている。
 (名嘉一心)