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観光地域づくり法人(DMO)への期待 地域への誇り、愛着を醸成<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 皆さんはDMOをご存じでしょうか? 観光地域づくり法人(Destination Management/Marketing Organization)の略称です。

 自然、食、芸術、芸能、風習など、それぞれの地域にある観光資源に精通し、地域事業者や自治体、金融機関等と協力しながら単独では困難な観光地域を作り出す法人のことです。

 我が国では2015年に日本版DMOの登録制度が創設され、全国で観光地域づくり法人(DMO)の取り組みが進められました。20年4月に登録制度を見直すとともに「DMOガイドライン」も策定され、日本版DMO→「登録DMO」へ名称が変更となりました。

 DMOには、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりのかじ取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現することが求められます。10月末現在、日本でのDMO登録数は255件となっており、沖縄県では6法人が登録DMOとなっています。

 観光ニーズは多様化しており、マーケティング戦略による地域観光の経営力向上、新しい領域の観光事業、地域に適した新たな組織形態が求められています。そして、これらを実現することにより、withコロナの新しい時代に対応できる強いDMOの組織、観光地域となります。DMOの活用は持続可能な観光産業の実現、地域活性化やSDGsへの貢献につながるものであり、私たちも関心を持ち関わっていきましょう。

(沖縄銀行金武支店支店長 大城琢馬)