空手と私 吉田健一(那覇・南部班)


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written by 吉田健一(那覇・南部班)

 最近、空手を取材する機会に恵まれている。11月には中学生新人競技大会を取材し、子どもたちのひたむきさに胸が熱くなった。9月には空手研究家の仲村顕さんから、沖縄空手の歴史を学んだ。5月のインターハイでは、迫力ある高校生の演武に圧倒された。

 実は高校1年の時に1カ月ほど空手部に在籍した。中学まではサッカー部だったが、才能のなさと引退試合でやりきった感もあり、高校では小さいころから憧れていた空手をやることにした。しかし、長くは続かなかった。

 私が入学した高校は、空手の強豪校としての伝統からか、入部が正式に決まると丸刈りにしなければならなかった。先輩から「強制ではない」と聞かされていたが、周りが丸刈りの中、一人逆らう度胸があるわけもなく、かと言って小学校低学年以来の丸刈りに抵抗があり、結局は帰宅部を選んだ。

 空手を取材するたびに高校時代の苦い記憶がよみがえるが、取材を通してはつらつとした中高生から元気をもらえた。スポーツに限らず子どもたちの奮闘は人々に元気や勇気を与える。

 コロナ禍に物価高と気が沈む日々が続くが、私も子どもたちに負けず県民に元気を与える記事を書きたい。機会があれば空手にも再挑戦したい。丸刈りにはしませんが。

(浦添市、西原町担当)


ゆんたくあっちゃー 県内各地を駆け回る地方記者。取材を通して日々感じることや裏話などを紹介する。