くら~い海底で新種!「クラヤミヤドカリ」発見 海底鍾乳洞の奥に生息 国頭・宜名真


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
クラヤミヤドカリの標本写真(藤田喜久教授撮影)

 国頭村沖の宜名真海底鍾乳洞(通称・辺戸ドーム)でこのほど、ヤドカリの新種が発見された。県立芸術大学の藤田喜久教授と島根大学の大澤正幸客員研究員の共同研究。海底鍾乳洞の奥に生息することから「クラヤミヤドカリ」(和名)と命名され、国際的な学術誌「ズータクサ」に2日付で掲載された。

 体長6ミリ程度と小型で、目の角膜が縮小しているのが特徴。観察の結果、ホンヤドカリ科のシラカワヤドカリ属に属することが分かった。シラカワヤドカリ属は琉球列島のサンゴ礁域とインド洋クリスマス島の海底洞窟でそれぞれ1種ずつ確認されており、今回が3種目の発見。眼柄(がんぺい)やはさみ脚などの形態的な特徴で判別し、新種として記載した。

県立芸術大学の藤田喜久教授

 藤田教授と大澤客員研究員は2016年から本島、伊江島、久米島、宮古諸島の海底洞窟で研究しており、これまでに28種の希少種を記録した。

 藤田教授は「沖縄の海底洞窟には希少な生物が多く、今後も新種の発見が期待できる。観光客や一般のダイバーによって生育環境が乱されることのないようルールを作ることも必要だ」と話した。
 (普天間伊織)