1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。
日本「復帰」した1972年12月12日の琉球新報1面トップは、「社党118、自民前議席割る/共産38議席、第3党に躍進/公明、民社は惨敗/衆院、新勢力分野が確定」との見出しで、衆院選の全国の開票結果を掲載している。
国政の情勢では「自・社共対決全面に/転機迎えた70年代政治」と分析している。記事では「共産党の驚異的な躍進と社会党の失地回復、自民党の現状維持の反面、民社両党の予想害の退潮で幕を閉じた。激動する内外情勢を敏感に受け止めている国民の審判は、中間政党に極めて厳しいものとなって現われ、共産党が当初の〝議席倍増〟目標をはるかに突破し、公明、民社両党を押え衆院第3党という大盤狂わせを演じさせた」と解説している。
選挙結果を受けた政局では「焦点、師走人事に/26日中に第2次内閣発足へ」との見出しで、新たな内閣の組閣や党人事、衆院正副議長の顔ぶれがどうなるかに移っていくと記している。
左肩には沖縄選挙区の結果として「現役の強み発揮」との見出しと得票数とともに、当選者を得票順に西銘順治氏(74073票)、上原康助氏(68999票)、国場幸昌氏(65961票)、瀬長亀次郎氏(64433票)、安里積千代氏(57203票)の5人を顔写真を載せて紹介している。
◇ ◇ ◇
5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。