すい好さんが落語特別賞 社会人日本一決定戦 二足のわらじで芸磨く


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
決勝で演目「お菊の皿」を披露するおきらく亭すい好さん(提供)

 アマチュア落語家の全国大会「第14回社会人落語日本一決定戦」が11日、大阪府池田市で開催され、那覇市のおきらく亭すい好(本名・宜野座一)さん(62)が決勝戦に進み、特別賞に当たる池田市長賞を獲得した。県内からは、過去にもすい好さんらが決勝に進出したが、受賞は県勢初だという。

 295人の応募者から1次審査を経て148人が予選会へ。これを勝ち抜いた10人が決勝に進出した。優勝の14代目名人、2位、3位に次ぐ市長賞を受賞した、すい好さんは「とてもうれしい。沖縄で落語をやっていて良かった」と話した。第1回大会から参加してきたが、台風やコロナもあり、今回は4年ぶりの出場だった。

 仕事と落語の二足のわらじを履く。「仕事しながら落語を覚える大変さはある」と苦悶(くもん)しつつ、語り口を磨いてきた。第1回大会では他県の落語家たちとのレベル差に落ち込んだというが「刺激を受けた」と大会の中で成長してきた。

 決勝では古典「お菊の皿」を披露した。オチにはアレンジを加え、審査員から「面白かった」との言葉をもらった。

 最高賞の名人を目指して今後の大会出場にも意欲を見せた。「沖縄でもっと落語ができる場所を広げたい」と県内での普及も目標に掲げた。 (金盛文香)