那覇市、古謝副市長21日に就任 市議会は与党、中立で賛成多数


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 那覇市議会(定数40、久高友弘議長)は12日、市議会11月定例会本会議を開き、自民公認で7月の参院選に出馬した元総務官僚の古謝玄太氏(39)を副市長に充てる人事案に与党系と中立会派の賛成多数(賛成25、反対11、退席3)で同意した。21日に就任する。

 討論で与党の外間有里氏(自由民主)は「国と地方行政、民間での実績から市政の諸課題に対応し、中央省庁との連携を強化できる」と賛成した。野党の湧川朝渉氏(共産)は、古謝氏が参院選で世界平和統一家庭連合(旧統一教会)関連団体の推薦を受けたことや米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設容認を掲げたことから「到底同意できない」とした。質疑で仲本達彦総務部長は、旧統一教会関連団体の推薦について古謝氏から「推薦状は代理によって受領された。当該団体から組織的な支援を受けたことはない。今後関わらない」との説明があったと述べた。

 古謝氏の副市長就任は今後の選挙出馬に向けた布石との見方もある。与党的立場を取る無所属クラブは「責任を持って4年の任期を務め、決して途中で辞任しないよう要望する」(奥間綾乃氏)とした上で賛成した。

 野党の大半が反対したが、ニライの平良識子氏と山田マドカ氏は退席した。両氏は取材に「人事は市長の専権事項で反対できない」としつつ、旧統一教会関連団体推薦の件で「賛成もしづらい」と述べた。無所属で中立の永山盛太郎氏も市長の専権事項であることなどを理由に退席した。

 古謝氏は1983年生まれ、那覇市出身。東京大卒。2008年に総務省入省。長崎県財政課長(出向)などを務めた。
(伊佐尚記)