うつ病の人の復職、オンラインで支援 浦添のBowLが受講生募集、沖縄の離島や本島北部在住者対象に


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オンラインリワークへの参加を呼び掛けたボウルの大田真央香さん(右)と石川ひな子さん=6日、浦添市伊祖のボウル

 うつ病の人のリワーク(復職)支援などに取り組むBowL(ボウル、浦添市伊祖)が、オンラインリワークプログラムの1期目の受講生を募集している。対象はリワークを目指し、離島や本島北部在住で、物理的に毎日ボウルに通うことが難しい18歳以上。プログラムは1月10日から始まる。申し込みの締め切りは1月5日。定員は8人。

 完全オンラインでリワークを目指すプログラムは全国でも珍しく、県内の民間企業では初の取り組み。ボウル取締役の徳里政亮さんは「離島県の沖縄ではニーズがあるはず。オンラインでリワーク支援ができれば沖縄県全体のメンタルヘルスの問題改善につながる」と意義を語る。

 条件は(1)最低3カ月の受講が可能であること(2)主治医、職場、家族との連携が可能で受講の賛同が得られる人(3)パソコンやタブレットで受講でき、Wi―Fi環境が整っている人。

 受講開始までは、オンラインでの利用相談や役所への障害福祉サービスの利用申請、主治医、職場、家族との連携や面談日の設定が必要。

 受講料は障害福祉サービスを活用するため1割負担で、世帯収入により負担上限額が定められる。サービス利用申請のための役所への手続きなどはボウルのスタッフが全面的に支援する。

 受講が決まると週4~5日、オンラインで集団認知行動療法(CBGT)やヨガ、コミュニケーションワークや「eラーニング」などに取り組む。週1回個別面談もある。

 復職の形として目指すのは、無理なく働いて休日とのメリハリをつけながら1週間を送れることや、うつの再発予防に向けた自己理解が深まっていること、しんどくなった時などに職場と必要なコミュニケーションが取れるようになることだ。

 リワークプランナーの大田真央香(しおか)さんは「復職して過去と同じような働き方をするのではなく、きちんと休みが取れたり、自分の時間を大切にしたりして安定して働けるようになってほしい。復職したいけど自信がないなど、不安がある人へのサポートをするので、安心して利用してほしい」と呼び掛けた。

 1期目の定員に達した後も2期目の受講生を随時受け付ける。当事者のほか家族や人事担当者、経営者を対象にした個別の利用相談も行っている。申し込みや問い合わせはボウル、電話098(879)0167。またはLINE公式アカウント@364gzssdか「BowL 沖縄」で検索。
 (嶋岡すみれ)