北国小学校、132年の歴史に幕 閉校式典「地域の支えに感謝」 沖縄・国頭


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懇親会であいさつする最後の卒業生・武田小夏さん=11月27日、国頭村立北国小学校

 【国頭】国頭村立北国小学校(沖縄県国頭村宜名真)の閉校式典が11月27日、同校体育館で開かれた。1890年に辺戸簡易小学校として開校以来、1161人の卒業生を輩出した同校は、132年の歴史に幕を下ろした。式典には、村内外から卒業生や関係者など120人が出席。学校跡地を表記した閉校記念碑除幕式、懇親会なども行われ、名残惜しい思いをそれぞれ抱きながら別れを惜しんだ。

 北国小は、開校時の辺戸から学校規模の拡大と時代に合わせ4度移転。少子高齢化で児童数が減少し、2004年に村内全中学校が国頭中へ統合されたのに伴い、北国中が閉校した。19年には北国小が休校となった。休校から約3年たち、北国小の閉校が決定した。22年2月から辺戸区・宜名真双方の郷友会合同による閉校式実行委員会で式典について協議を重ね、この日を迎えた。

 実行委員会会長の金城恒夫さん(辺戸)は式典で、これまでの学校運営に関わった多くの学校職員、行政、地域、卒業生などへの感謝の言葉を述べ、元校長らへ感謝状を贈った。

 式典後は、学校正門前に建てられた「北国小中学校跡地」の記念碑が、金城会長、平良克巳同窓会長、平良信行記念碑部長、平良太事務局長らにより除幕された。

 全児童数1人の時の在校生で、小学4年で転校してきた武田小夏さん(現在向陽高校1年)が最後の卒業生。卒業生を代表して懇親会で「北国小は本当に幸せな場所でした。休校している現実がつらい時期もあった。ここで出会った人々は、卒業後も心の支えになっている。私たちが楽しく過ごせたのは地域の皆さんの支えがあった。温かく見守ってくださり、本当にありがとうございました」とあいさつした。

(新城高仁通信員)