米海兵隊の「新戦略部隊」が沖縄県内で訓練 県道で確認された武装米兵も参加「基地外に誤って移動」


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訓練参加中に県道70号を武器を持って移動する米兵ら=9日、東村高江(提供)

 【北部】米海兵隊が敵国の脅威を前提に、部隊を小規模に分散して攻撃に対抗し、占領された重要施設を奪還することなどを目標にした新戦略構想に基づく部隊「スタンド・イン・フォース」(SIF)を展開する訓練を中部訓練場(米軍キャンプ・ハンセン、シュワブ)などで実施していることが13日までに分かった。5~15日の10日間の訓練で約1500人が参加している。東村高江の県道70号で9日、ライフル銃などを持って移動していた米兵たちもこの訓練に参加していた。在沖海兵隊は琉球新報の取材に「演習に参加していた少人数の海兵隊員が基地外に誤って移動した。ミスに気づいた兵士らは基地に戻るために最適な方法でゲートに移動した」と説明した。

 SIFは、2020年3月に公表された「米海兵隊戦力デザイン2030(Force Design 2030)」で打ち出された。ミサイルの射程距離が拡大するなど中国の軍事的脅威が強まる中、機動力が高く臨機応変に対応できるSIFを分散配備して対抗する。状況に応じて海兵隊の他、海軍や特殊作戦部隊、同盟国の軍隊などで編成することも視野に入れている。星条旗紙などによると今回は米本国の海兵隊部隊や米軍普天間飛行場所属のMV22オスプレイやCH53E大型ヘリなどが参加している。

 在沖海兵隊は取材に対し「今回は海兵隊だけだったが自衛隊との訓練も大切にしていきたい」と述べ日米合同訓練の実施も示唆した。

(松堂秀樹)